JBP(JINKEN Bicycle Products)について、24inch Street Trial Bike (trMOZU)についてなど、jinkenの(ほぼ)自転車尽くしのブログ。

2010年2月21日日曜日

ものづくりの町

数日前ですが、
夜、テレビをつけたら、いきなりこんな画が目に飛び込んできました。

NHKの番組「伊予路てくてく」・・・はじめて見ました。
ほんとに偶然でした。

もの作りの町 新居浜市。
四国の、愛媛県新居浜(にいはま)市です。

私は、この新居浜市の外れの出身です。
古くから別子銅山で知られ、住友財閥の重要な拠点の一つとなってきた町です。
狭い平地のすぐ南側には四国山脈がそびえ、
山に向かって少し進んで振り返るとどこからでも瀬戸内海が見える、
そんな面白い土地です。
(シングルトラックもいっぱいありますし、トライアル遊びの「セクション」には一生困らないでしょう)

人口で言うと松山に続いて愛媛県第二の規模の「工業都市」ですが、
最近では不況の影響もあって商店街はシャッター通りになり、
郊外型のショッピングセンターくらいしか行くところのあまりないような、
そんな印象でした・・・が。


この番組(「伊予路てくてく」の新居浜市編)は、
そんな私の「置いてきた」故郷の「ものづくり」の現在に焦点を当て、
地元の若者たちが生き生きと働くその表情を見せてくれました。



私の父は新居浜市の外れのど田舎の自宅敷地内の狭いプレハブ工場で、
一人で金属加工をやっています。

高校生当時の私は、その父の仕事や油と切り粉にまみれた後ろ姿を、
内心は「かっこいい」と(今思えば)どこかで感じながら、
その感情を押しつぶすように受験勉強らしきものに熱中して(しかも文系)、
まるで家を離れることが「解放」であるかのようにさえ思い込んで
大した考えもなく「大学進学」という名目で東京にやってきました。

そのときの私は、
油にまみれたり、手で何かを作ったり、汗を流して何かを運んだり、そういう仕事よりも、
エアコンの効いた部屋で小難しいことを考えたり、コンピュータの画面をじっと見ていたり、
そういう生き方のほうが何か「高級」なのだ、という、
今考えると馬鹿馬鹿しいような考え(だれに教えられたんでしょうか)にとらわれていて、
身体を使う仕事の世界から、頭を使う世界へと自分は脱出するんだ、
東京はそのための街なのだと、不可解な自己物語を作り上げて、
そのくせ臆病で、狭い狭い世界で小さく生きていました。

その後、色々ありましたが、
現在までにその考えは大きく変わりました。
変わった、というよりも、もともと「ものづくりの町」で育った私が、
「進学=成功」のインチキなイメージの奥に押さえつけてきたいろんな経験や興味が、
自分の生き方にとってどういう意味を持つのか、
それが東京にやってきて13年でようやくわかりかけてきたようです。

もちろん、私は現在もアカデミックな世界に片足を
(おそらく、それは今後も私の軸足なのでしょう)置いていますし、
私自身が機械を操作し、また細かな手作業でものを「作る」ことで生きていく、
という方向に転換することはないと思います。

しかし、父の油まみれの手や、
あの町を離れることなくものづくりの現場で生き生きと働く人たちの表情を思い浮かべながら、
私は東京で、自分なりのかかわり方で、日本のものづくりをリスペクトしながら、
その世界に関わっていきたい、と思うようになりました。


今考えれば、
TUBAGRAのみんなや岡安さんと知り合って、
みんなに背中を押されてJBPを立ち上げようと思い立ったとき、
どうしてもメイドインジャパンの、日本のものづくりに関われるようなブランドにしたいと
直感的に思ったのも、そうした自分史が知らず知らず基礎になっていたのだと思います。


もちろん、近年の不況で、日本の町工場は大変厳しい状況にあります。
どこかでオリジナリティを発揮して生き残っていかなければ、
ものを作り続けることすらままならない状況です。

コストや便利さだけを追求すれば、
海外で作ったほうがいいものもたくさんあるでしょう。
それでも、日本で作り続けることには、きっと意味があるはずです。

コストだけでも、単に精度だけでもない、何かが。
「思い」と言ってもいいし、「技術」と言ってもいいし、
「誇り」と言ってもいい。
そして、間違いなく、そこには生活があり、生身の人間がいます。

使う人が、それを作った人のことを思い浮かべられるような、
そして日本のものづくりの世界を、(その厳しさを含めて)製品の中に感じられるような、
そんなつながりを作っていくことに、私が微力ながら関わることができたら、
こんな嬉しいことはありません。



なんだか変なブログになってしまいましたが、
本当に、たまたまテレビをつけてよかったです。


ちなみに、このテレビは、先日Moriくんからいただきました!
地デジ切り替えの前日まで、14インチのブラウン管テレビで粘ります!
ありがとう!

2 件のコメント:

  1. そういう君だからこそ解ける世界もあるのでは?

    理系文系にとらわれず大きく見ていきましょう!!

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  2. >ダブサン

    そうですね、ありがとうございます!
    どうも自分は頭でっかちでいけません。

    そうそう、今日も素晴らしいものづくりをされている方と詰めた話ができました。

    いろんな人のいろんな世界がつながって、
    今年はでっかいスパークが起きそうな予感です!!

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